2012年01月10日

お知らせ(こみトレ19)

 お知らせばかりで(以下略)ですが、今度インテックス大阪で行われる『こみっくトレジャー19』に、サークル「NEKOPLA」で参加します。

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  ■こみっくトレジャー19

 ・開催日  2012年1月15日(日)
 ・開催場所 インテックス大阪
 ・配置場所 5号館 F-33b 「NEKOPLA」
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 ※イベント自体の詳細はこみトレ公式ページを参照


 新刊は無しなので、基本的には前回の『文学フリマ』準拠の品揃えになります。
 (詳細な紹介はリンク先参照→こんなの

 「タイムカン読本」
 (A5版/34ページ/オフセット本/400円)  
 「日常⊇非日常」
 (A5版/36ページ/コピー本/300円)  


 文フリでも行った「10年間土に埋まっていたタイムカン」の展示もあり。前回はビニルに包んだ状態の展示で、見た目があまりにもあんまりだったので、今回は展示用のアクリルケースを用意して展示っぽくなってます。ここが今回一番の力の入りどころ!(何か間違ってる)
 是非ご家族ご親戚ご友人お誘い合わせのうえ、全員総出でお越し下さいませ(なぜか強気の勧誘)。

2012年01月01日

2011年を振り返る

 気が付けば年も明け、2012年になりました。ご覧の通り、かなりマイペースなブログですが、今年もよろしくお願いします。

 さて新年早々ですが、いきなり「去年一年間のまとめ」という、「そんなの去年のうちにやっとけよ」というエントリからスタートする当ブログです。題して、『2011年を振り返る』(そのまんま)。そもそも、ほとんど日常が記録できてないのが気がかりで、本当はもう少し子細に日記を補完していこうと思ったんですが、作業開始早々に諦めたというのは秘密です。


○本のこと

 2011年の一番大きな変化は、「本づくり」を始めたことです。

 最初は、6月12日の『第十二回文学フリマ』というイベントに合わせて、本を二冊作りました。いきなり二冊作ったのは、一冊だけだと売り場が寂しいかなぁと何となく思ったから。二冊とも「手製本」に挑戦したので、本文の制作以外にも、紙の選定や調達、印刷、製本作業まで完全DIY。4月〜5月にかけて、ちまちまと二冊まとめて作ってました。うん、いきなりだったけどよくやりきった。同人・製本ノウハウについて教えて下さった某氏、いろいろとお世話になり、どうもありがとうございました。

 文フリ当日の様子や、本の詳細はこの辺のエントリ(→「文学フリマ初参戦記」)をご参照下さいませ。

 その後、また間髪入れずに次の文学フリマへ申し込み。11月3日開催の『第十三回文学フリマ』に合わせて作ったのが『タイムカン読本』でした。このタイミングで「Adobe InDesign」というDTPソフトを購入したり(すごく高い)、初めて印刷所で製本してもらったりと、どっぷりDTP趣味に足を突っ込むことに。ずぼずぼずぼ(沼)。原稿(と本業の仕事)に追われて、9月〜10月初旬は死にそうになってたのも良い思い出です。文フリ本番では初めての合体配置にも成功し、「本づくり元年」としての今年一年を印象付ける出来事になりました。

 何にせよ、この趣味のおかげで私の2011年はとても充実していたと思います。ありがとう、そしてありがとう!

 今年も今年とて、新刊は文フリ合わせで作っていく予定です。次回は5月6日の『第十四回文学フリマ』(予定)。本のテーマは何にしようかなぁ。まだ何も考えてません。

【関連】

・5/24発売『週刊アスキー』で、特集記事「amazon ボックス大活用」に協力(ダンボール提供、コメント掲載)させて頂きました。
 (『日常⊇非日常』に掲載した「Amazonの箱いろいろ」に関連)

・6/12掲載『エキサイトレビュー』で、『日常⊇非日常』をライターオススメ本として紹介して頂きました。
 → 第12回文学フリマで見つけた噂のすごい本!

・11/9掲載『エキサイトレビュー』で、『タイムカン読本』をライターオススメ本として紹介して頂きました。
 → 第13回文学フリマでまたまた見つけた凄い本

・11/22開催『ゆるい専門家ナイト5』で、『日常⊇非日常』に掲載の「岬ゆきのバス」についてトークさせて頂きました。

・本は現在、以下の委託先で通信販売して頂いています(イベント価格より100円高いです)。
 ー とらのあな:『タイムカン読本
 ー シカク:『タイムカン読本』、『日常⊇非日常


○旅行のこと

 2010年に、長年続けていた『JR全線乗りつぶし』を終えたこともあり、鉄道旅行趣味としては少し落ち着いた2011年でした。それでも、新規開業した「東北新幹線(八戸〜新青森)」と「九州新幹線(博多〜新八代)」にはちゃんと乗りに行って、全線完乗タイトルは保持してます。

 詳細は省略しますが、昨年の主なお出かけは以下の通りでした。

 ・2月11日〜13日

  ー 伊丹空港〜羽田空港〜新千歳空港(飛行機)
  ー 札幌〜青森(急行はまなす)
  ー 青森〜大間崎(在来線・路線バス)
  ー 大間港〜函館港(フェリー)
  ー 函館〜仙台(在来線・新幹線)
  ー 仙台空港〜伊丹空港(飛行機)

 ・5月4日〜6日

  ー 新大阪〜博多〜新八代(新幹線)
  ー 新八代〜鹿児島中央(肥薩おれんじ鉄道・在来線)
  ー 鹿児島港〜種子島(高速船)
  ー 種子島(レンタカー)
  ー 種子島〜鹿児島港(高速船)
  ー 鹿児島空港〜伊丹空港(飛行機)

 ・8月19日〜8月21日

  ー 伊丹空港〜新千歳空港(飛行機)
  ー 新千歳空港〜札幌〜小樽(在来線)
  ー 小樽〜神威岬〜小樽(路線バス)
  ー 小樽〜札幌〜新千歳空港(在来線)
  ー 新千歳空港〜新潟空港〜伊丹空港(飛行機)

 ・その他、日帰りなど
  ー 金沢(10月9日)
  ー 竹原(11月20日)
  ー 東京:計12日間
  ー 徳島:計10日間

 あんまり旅行に行けなかった印象なんですが、こうしてみると結構いっぱい行ってますね。特に東京は何だかんだ月1ペースで行ってるため、新幹線に乗るのもそろそろ飽きてきました。今年は東京行きを少し減らして、ローカル私鉄乗りつぶしをもう少し進めていきたいところです。島巡り・岬巡りも継続して。

 あと、3月の震災の1ヶ月前に仙台空港に行ってたこともあって、テレビに映る水没した仙台空港の光景は結構衝撃的でした。震災当日は仕事で岡山にいたので、特に何の揺れもなく。帰りに通った新大阪駅が混沌としてたのが印象に残ってます(東海道新幹線が止まってたので)。


○その他

 10年越しのプロジェクトだった『タイムカン埋蔵計画』は、自分で言うのもなんですが感動的でした。10年に渡っていろんな出来事が絶妙のタイミングで発生して、最後に一冊の本としてまとめるところまで行ったのは、奇跡的な気がしてます。詳細は、このエントリ(→「タイムカン埋蔵計画完結編」)、および幣著『タイムカン読本』をご覧下さい(宣伝)。

【関連】

・9/16掲載『デイリーポータルZ:デイリー道場』に入選しました。
 → デイリー道場

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 その他、本を140冊、CDを79枚、アニメを13本、ライヴを20本、見たらしいです。どこにそんな時間があったのか、さっぱり分かりませんが……。

 そんな2011年でしたが、2012年も引き続きよろしくお願い致します。今年もまた何か新しいことをやりたいなぁ、と願望を述べておきます。さてはて。

2011年12月03日

お知らせと近況

 お知らせばかりで、どこが日記だよ、という感じの近年の『新・不条理日記』です、こんにちは。「ですます調」と「だである調」が、文章の内容によって変わるのが特徴です(いい加減)。

 さて、先日の『文学フリマ』で販売した『タイムカン読本』(こちらを参照)ですが、委託先での通信販売が始まりました(前回出した『日常⊇非日常』も!)。

 ●とらのあな・・・『タイムカン読本
 ●シカク・・・『タイムカン読本』、『日常⊇非日常

 価格は、イベント価格より100円ほど高いですのご注意を。とらのあな店頭でも売ってるかもしれません(実はよく知らない)。シカクさんは店でも売って頂いてます。

 今後のイベント参加予定ですが、来年の文学フリマの前に、2012年1月15日にインテックス大阪で開催される『こみっくトレジャー19』に参加予定です。オールジャンルのイベントなので、客層的に全く売れる気はしないですが!
 こみトレ合わせの新刊はありません。『タイムカン読本』と『日常⊇非日常』を持参予定。

 以上、取り急ぎお知らせでした。

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 と、これだけなのもなんなので、夏以降の出来事を駆け足で、逆時系列的に書いておきます。


●先日11月22日は、東京の「東京カルチャーカルチャー」にいました。

 カルカルで開催された、『ゆるい専門家ナイト5』というイベントに登壇させて頂きました。


 


 なぜか「岬ゆきのバス」について語る私。気になる方は、この広いインターネットのどこかに動画が転がっていますので、自力で探してください(おしえない)。他のゆるい専門家の方々の話も面白くて、楽しいイベントでありました。


11月20日は、広島県の竹原にいました。


 

 

 


 当サイト的には、竹原郵便局前の巨大「ポス像」が気になるところです。


11月3日は、東京の「東京流通センター」にいました。


 


 告知していた通り、『文学フリマ』に参加しました。当日いらしてくれた方、本を買ってくださった方、どうもありがとうございました。
 ねこプラで随分前から知り合っていた方にも今回初めてお会いできたりと、大変嬉しいイベントになりました。

 ここで前回のようにイベントレポートを書こうと思いつつも、例によってまだ準備中ですので、当日の様子は今回一緒に参加したezoryさん(サイト『いぬ型干渉体』)の「第十三回文学フリマレポ」をご覧下さい。(なんて他人任せな!)


10月9日は、金沢の湯涌温泉にいました。


 

 


 行くのは5月に続いて2度目なんですが、今回の『ぼんぼり祭り』は良いイベントでした。祭りの最後まではいられなかったので、続きは帰ってからUstreamで視聴。映像を見ながら、あんなにすごいことになってるなら最後までいれば良かったなぁ、と思ったりしたのでした。


9月17~18日は、東京にいました。


 


 代々木体育館にライブ2daysをフルで見に行ったり、


 


 宿泊した東横インの構造に驚愕したり(廊下が屋外だった。完全に元マンション)、


 


 オープン直後の「横浜カップヌードルミュージアム」に行くなど。
 写真を見てると、このときはものすごく暑かったのを思い出します。もう3ヶ月も前なんだなぁ……。


8月19~21日は、北海道にいました。


 


 札幌近郊をうろうろしたり、


 


 神威岬まで行ったけど、強風のため先端まで行けなかったり、


 


 小樽の街をうろうろと彷徨ったりしてました。


 と、これで前回の日記(タイムカン発掘)と時系列的に繋がりましたね。そのほか、文フリ用の原稿に追われたり、文フリ用の写真を撮りに行ったり、京都にも数回行っていますが、細かいところはまたの機会に(そんな機会はあるのか)。
 書きたいことは山ほどあるんですが、アウトプットがほとんど出来てない状況を来年はどうにか改善したいところです。

2011年10月22日

お知らせ 「第十三回 文学フリマ」

 前回に引き続き、11月3日に開催される「第十三回 文学フリマ」にサークル参加します。

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 第十三回 文学フリマ

 ・開催日  2011年11月3日(木・祝)
 ・開催場所 東京流通センター
 ・配置場所 オ-41 「NEKOPLA」
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 会場は、今回から「東京流通センター」に変更になってます。東京モノレールに乗ってると気になる駅名の一つ「流通センター駅」が最寄の「東京流通センター」です。飛行機で行って第一ターミナルからモノレールに乗れば、区間快速だとたったの2駅。帰りも飛行機に乗るとすると、東京滞在時の移動距離最短記録を樹立できそうなので、密かにそれを狙ってみようかと思っている今日この頃です(特に意味は無い)。

 さて、今回の出品物を紹介します。


●新刊 「タイムカン読本」
 (A5版/34ページ/オフセット本/400円)


 

 今年の夏、最後に衝撃的なビジュアルを見せ付けてくれた「タイムカン」。 タイムカンと当サイトとの関わりは深く、実に10年以上の付き合いになります。

 この本は、2000年の「タイムカン発売」から、「タイムカン10カ年計画」の経過、2004年の「タイムカン回収騒動」の顛末、2011年の「タイムカン発掘」に至るまで、タイムカンと当サイトの歴史をまとめた、タイムカンに始まり、タイムカンに終わる、そんなタイムカンオンリーの本です。

 10年間のタイムカンのあれこれを知っている方は、当時の様子を振り返りながら、全く知らなかったという方は、過去にこんな妙なことがあったんだ! というような見方でお楽しみ頂けます。


 

 

 誌面は、ムック本をイメージしたような構成で、基本的には文章と写真でレイアウトされています。


 

 カラーページもあるヨ!


「日常⊇非日常」
 (A5版/36ページ/コピー本/300円)

 

 日常にあるけど、多くの人がその面白さに気付かない、そんな「日常の中の非日常」に気付く本。おみくじ蒐集の魅力とは!? 大学名規模のヒエラルキって一体何のこと??

 前回の文フリで販売した本の再販になります。一部誤字修正と、製本的な微変更がありますが、もちろん内容は同じです。エキサイトレビューの文フリ特集で、ライター陣おすすめの一冊として紹介して頂いていますので、気になっていた方はこの機会にぜひ!


タイムカンの写真
 (L版/3枚セット/インクジェット印刷/100円)


 


 いきなり毛色が変わりますが、タイムカンの写真です。ぜひ「タイムカン読本」とご一緒にどうぞ。
 数量少なめですので、欲しい方(がいるのかどうかよく分からないけど)はお早めに。自分で言うのもなんですが、L版程度のサイズで見ると、かなり格好良い写真です。3枚中2枚は今回の撮り下ろし。


●展示 「10年間土に埋まっていたタイムカン」

 あのタイムカンの実物を展示します。(展示はこのうち一個です↓)


 


●フリーペーパ 「NEKOPLA+」 創刊号
 (A4/1枚/0円)

 何のことはない、A4一枚モノのフリーペーパです。小特集は「集めてみたけどあんまり面白くなかったもの」。すごく後ろ向きな特集ですが、タダなので持って行って下さい。


謎の展示物

 現在急遽作成中ですが、間に合わなかったら展示しませんので、何かあるかもしれないとだけ告知しておきます(なんだそれは)。


 ……と、初出展の前回と比べると内容盛りだくさんで、さながら「ひとり文化祭」みたいなノリになってきておりますサークル「NEKOPLA」(メンバは私ひとり)です。皆様のお越しを心よりお待ちしております候。

2011年09月10日

タイムカン埋蔵計画完結編 ~カップヌードルを埋めて10年後に掘った記録~

これまでのあらすじ(10年分)

 今から10年と少し前の2000年10月21日。当時高校生だった私は、友人2人と共に『タイムカン』というカップヌードルを地中に埋蔵した(当時の様子)。

 タイムカンとは、日清が2000年に限定発売したカップヌードルの一種である。特徴は「10年間保存が可能」という、文字通り"世紀を超えた"美味しさがウリの、まさにタイムカプセル的な食べ物なのであった。ゆえに、「10年間保存できるタイムカンを、タイムカプセルとして10年間埋めてしまおう」というのは、実に自然な考え方なのである。

 しかしながら、その10年後の未来を待たずして、タイムカンは無念の自主回収となった。私が別途進めていた「タイムカン10ヵ年計画」により、2004年に食品不具合が発覚したのである。2010年4月には回収告知のテレビCMが放映されるなど、割と大々的な回収がなされ、タイムカンは2010年末の賞味期限を待たずして、歴史の表舞台から姿を消すこととなった。(当サイトとタイムカンとの関係について、詳細はこのエントリを参照)

 だが、そんな回収騒動とは無関係に、2000年に埋めたタイムカンは地中に埋まり続けている。「10年後に3人で掘ろう」と、"secret base" ばりの誓いを立てて埋めたタイムカン。10年前は高校生だった埋蔵メンバも、今ではみんな社会人に。住む場所も、東京・大阪・筑波と地理的に散り散りになっており、なかなか集合の予定も合わせられないまま、ずるずると11年目の夏に突入していた。

 「10年後に集合」と一口で言っても、実はいろんな社会的要因(主にサラリーマン的な)が、あり一筋縄ではいかないということを、10年前の私たちは知る由もないのであった。あゝ、年を取るのはイヤだなぁ。

 さて、そんな延期に延期を重ねた「タイムカン掘り起こし」であるが、ここに来てようやく3人全員が集合できる目処が立ったのだ。それが2011年8月15日、埋蔵から10年10ヶ月が経った日のことであった。(長いあらすじ、終わり)


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 2011年8月15日、早朝4時。埋蔵メンバ3人、マウントポイントに立つ。

 埋蔵した場所が場所だけに、ひと気のない時間にこっそりと掘り起こすしかない、という判断で早朝に集合した(場所が場所だけに、一応モザイクをかけておく)。10年前に埋めた時はたしか夜中で、あやうく補導される寸前だったのを覚えている。まったく、何をやってるんだろうか。

 しかしこんな早朝にも関わらず、すでに散歩を開始している老人が傍らを通り過ぎていく。これはゆっくりしてはいられないと、ライトとシャベルとスコップを手に、いそいそと穴掘り作業を開始した。


 

 


 埋蔵場所の手がかりとなるのは、10年前の埋蔵時に撮影した写真である。マウントポイント決定の条件となった、「10年後でも変化がない場所であること」というのは見事に達成され、周囲は当時と全く同じ様子で、おそらく何の手も加えられていない状態で残っていた。

 写真には人工物としてレンガが写っているので、それを基準にして掘る場所に狙いを定め、ひたすら穴を掘った。


 


 穴を掘って、掘って、掘った。写真があるためすぐに見つかると思っていたタイムカンだが、意外となかなか見つからないもので、どんどん穴が広がっていく。結局、人目も憚らずに、1時間ばかりひたすら穴を掘ることになった(怪しい人だ)。

 そして徐々に日が明けてきた午前5時過ぎ、ついに土の中に怪しい人工物を発見!?


 


 タイムカンを包んでいたビニル袋(の残骸)が顔を出したのだ。10年ぶりの対面に息を飲む一同。


 

 


 そのビニル袋(の残骸)の中には、紛れもなく10年前に埋めたタイムカンが収まっていた。あぁ、10年の間にすっかり姿が変わってしまって……。しかも、一緒にビニル袋に入れて埋めてあったメッセージボード(10年前の写真に写っている木の板)は、キレイさっぱり姿を消していた。土に還った……んだろうか。改めて、10年の歳月ってすごいもんだなぁ。

 この10年の間に起こった出来事、主にタイムカン回収騒動などが走馬灯のように頭をよぎる。いろんな事があったけど、このタイムカンは、10年間ずっと同じ場所で土に埋まってたのである。時には花見客に踏み潰されながら、時には深い雪の下に埋もれながら、10年後に訪れる掘り出しの日を待っていたのである。すごいよタイムカン!


 


 と、いろいろ感慨に浸りたい気持ちをグッと抑え、まずは1時間ばかり掘った穴を埋める作業を行わないといけない。10年間つねに気にかけてきたこの「マウントポイント」も、今日からは「旧マウントポイント」である。このまま記念植樹でもしたい気分だ。

 そうこうしているうちに、すっかり日も明けてしまった。


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 タイムカン埋蔵計画は、今回の掘り起こしによって幕を閉じた。最後に、10年間土の中に埋まっていたタイムカンの様子を観察することにしよう。


 


 これが掘り起こされた10年モノのタイムカンである。10年間の長きにわたり土の中にいたタイムカンは、錆びや凹みこそあれども、それなりに原型を保っていた。さすがのブリキ缶である。ただし、蓋を開ける前からすでに異臭を放っていたため、中の様子は……。「10年後に美味しくタイムカンを食べよう」なんて言っていた当初の計画は、この時点でもろくも崩れ去ったのであった(当たり前である)。


 

 

 


 タイムカンは、缶の中に普通のカップヌードルが収まる構造になっている。今回はその缶がボコボコになっていたため、カップヌードルを取り出すにも一苦労。慎重に取り出されたカップヌードルからは、さながら幾多の戦場をくぐり抜けたかのような貫禄が漂っていた。


 


 ザ・タイムカンズ。汚いうえに異臭を放っているのだが、この汚れ具合がなぜか様になっていて格好よく感じてしまう。実際この写真を撮影していた時には、散歩中のおばさんがやって来て、興味深そうに撮影の様子を眺めた末に、「いろんな芸術があるねぇ」と関心して去っていかれた。それほどに格好いいのである!(でも本当はただの腐ったカップヌードルなんだけど)

 さて、その格好いいカップヌードルの中身はどうなっているのだろう。


 


 ……見なかったことにしよう。麺は湿気によってドロドロになっていた。まぁ、そりゃそうだろう。

 ところで、タイムカンの缶表面には、「10年後の自分へのメッセージ」という欄があり、自分でメッセージを書き込むことができるようになっていた。私は埋めるときにそこへメッセージを書いたらしくて(あんまり覚えていない)、掘り出した缶には何やら記してあった。えーと、なになに、


 


 20世紀に流行ったもの 「電子計算機、豆乳、太陽の塔、森総理、世界不思議発見、プレイステーション、AIBO、どーも、うさじい、Mr.マリック、ねこの國、インターネット、NEC、NHKマン、ピカチュー、(その他解読不能なものがいくつか)」 どうだ、なつかしいだろ! 2000年10月21日

 それは本当に20世紀に流行ったものなのか? と自分で突っ込みを入れたくなるような内容に思わず赤面してしまう。AIBO なんかは確かに頷ける内容ではあるが、NEC なんて会社名だし、他のもかなり嗜好が偏っている。もっとマシなことを書いておけばよかったと今さら思う、そんな10年前の自分からのメッセージ(?)であった。


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 以上をもって、10年以上に及んだ『タイムカン埋蔵計画』は無事に完了し、それと同時に、タイムカンにまつわるあれこれの行事はすべて完了となった。ありがとうタイムカン、さようならタイムカン……。

 この10年間は、土の中のタイムカンに思いを馳せたり、時にはマウントポイントの現地視察に行ったりと、それなりに楽しいタイムカンライフを送ることが出来た。個人的には、次の10年に向けてまた何かを埋めたいと思ってはいるが、まだ何を埋めるかは決まっていない。しばらくは、次の埋蔵物を探すことになりそうだ。


 


 この汚い缶は、メンバ3人でそれぞれ1缶ずつ持って帰ることにした。たぶん一生捨てられないだろうなぁ、と思う。汚いけど。

おしらせ

 タイムカンの掘り出しも無事に終了したところで、久しぶりのお知らせ。前回に引き続いて、『文学フリマ』にサークル参加いたします。

  第十三回 文学フリマ

 ・開催日  2011年11月3日(木)
 ・開催場所 東京流通センター
 ・配置場所 未定

 新刊は『タイムカン』本になる予定。10年前に始まった、当サイトとタイムカンにまつわるエトセトラを、つらつらと書き連ねた本になる予定……ですが、例によってまだ何にもできておりませぬ。大丈夫か?

 既刊本も、前回販売した『日常⊇非日常』を増版(手製本)して持っていきます。お楽しみにって、まだ2ヶ月も先だけど。(なんて言ってるとすぐに当日がやってくるのだ)

2011年07月18日

文学フリマ初参加記

 いつもながら更新が遅すぎるため、もう一ヶ月も前の話になってしまったけど、去る2011年6月12日に開催された 『第十二回文学フリマ』 に "初" サークル参加してきた。サークルと言っても、構成員は私一人だけの個人サークルである。サークル名は "NEKOPLA" で、やってることもそのまんま "ねこプラ" だけど、ウェブとは一味違った体験ができて、非常に楽しいイベントであった。そのときの感動を忘れないように、ちょびっとだけどレポートしておこうと思う。


■入場前

 2011年6月12日、朝8時、伊丹空港。半ば無理やり店番を手伝ってもらうことにした知り合いを連れて、大阪から飛行機でトーキョーに向けて飛び立つ。大阪~東京間は、実は飛行機も新幹線もほぼ同額なので、今回は往路:飛行機、復路:新幹線で乗り物欲を満たすことにする。
 
 手には、Amazon ダンボール。"BX1120"(箱の型番)には、A5サイズの本がちょうど2列分収まるため、今回のイベント用に作成した2種類の本を詰めて持ってきた。ホント、Amazon 箱は何にでも使えてしまう、まさに現代のみかん箱だ!(元ネタは、週刊アスキー5/24号参照)

 ところで、その Amazon 箱を機内に持ち込もうとしたところ、手荷物検査で 「ダンボールの中身は何ですか?」 と聞かれた。私が 「本です」 と素直に答えると、「本!?」 みたいな謎の反応が。Amazon 箱に本が入ってるなんて、当たり前すぎて逆にビックリしたのかもしれない。その後は特に何のお咎めもなかったので、Amazon 箱の機内持ち込みは可能ということで(当たり前だけど)。

 そんな私と Amazon 箱を乗せた飛行機は、野を越え山を越え、1時間ばかりのフライトで、"はねくう" こと羽田空港(誰も言わない)に到着した。イベントの会場となったのは、『大田区産業プラザPiO』 というところで、最寄駅は京急蒲田。赤い電車に乗れば、わずか10分程の距離である。僕らを乗せてひとっ飛び。


 


 近くのコンビニで燃料を補給してから、サークル入場列に並んで開場を待つ。列を見渡せば、まさに "老若男女" が勢ぞろいしており、このイベントの年齢層の広さをうかがい知ることができた。実はサークル参加も初めてなら、文学フリマに参加するのも初めてな私。そもそも即売会への参加自体、10年前に一度だけコミケに一般参加したっきりという超初心者である。

 そんな私にも優しいイベントとのことで、人から伝え聞いてやってきた文学フリマ。まさに聞いていた通りの雰囲気が漂っていたので、ひとまず安心した私であった。


■設営

 午前10時、サークル入場開始。
 
 "NEKOPLA" に割り当てられたスペースは、会場2階の一角。事前にサークル一覧をチェックした限りでは、どうも2階には変なサークルが集められている(隔離されているとも)雰囲気があり、そういうのが好きな私はすでにワクワクし始める。まわりのサークルが何を出展しているのか気になるところであるが、さほど時間もないので、いそいそと設営準備を開始。毎日夜なべして作った手製の本と、ディスプレイ用のポップなんかを、ここぞとばかりにセットする。うん、初めてにしては、なんかそれっぽい感じになったんじゃないだろうか。


 


 そして、なんということでしょう。来るときに本を詰めてきた Amazon 箱が、ディスプレイ用の棚に早変わりしているじゃないですか。というか、まぁ、ただ置いてあるだけという説もある。

 両隣のサークルさんは、片方は同じく初参加とのことであったが、もう片方は場数を踏んでそうな雰囲気のサークルさん。主催の方と挨拶がてらいろいろ話をしていると、「バス好きなら、これあげるよ」 と言って、何でも入ってそうな魔法の箱から、やおら何やら取り出してくれた。それは、


 


 呉市営バスの回数券(本物)と、バス会社の労組がストライキの時に貼る札(自家製の同人グッズ!)

 いやー、なんかよく分からないけど(←ここがポイント)、スゴイ。一気にテンションも上がったところで、ちょうど一般入場の時間を迎えた。主催の方から開場の挨拶があり、拍手と共に開場。パチパチパチ。


■開場後

 開場と同時に、目が血走った人たちが我先にと目当ての薄い本を求めて押し寄せ、会場は早くも死屍累々の様相を呈していた。なんてことはなく、まったりとした出足。"NEKOPLA" はというと、用意したポップが意外と目を引くらしく、チラ見していく人多数。そんな中で、何人かの人は本を手にとって見てくれる。緊張の一瞬。そして、開場約10分にして、記念すべき1冊目をお買い上げ頂けた。わー! ありがとうございます!!

 そして、記念すべき一冊目が売れたという感慨に浸る間もなく、定期的に人がやってきては本を手に取ってくれる。あれ、うちって意外と人気あるんじゃない? なんて自尊に浸る間もなく、忙しく接客に追われることに。

 ここで、今回持ってきた2冊の本に対する反応など。


路傍画報

 

 一応 『文学』 と名の付くイベントなので、文字の全くない写真集は妙な存在なのだが(実際、「これって文学なんですかw」 って質問も何度か受けた)、そんな本を目がけてやって来てくれる人もいるもので。写真が好きな方もいれば、本当にピンポイントで路上観察好きの方もいて、思わぬ同士の登場にうれしくてニヤニヤしてしまう。やっぱりこういうイベントには来てみるもんだなぁ、と実感。

 普段は写真の話を出来る人がまわりにいないので(仕事柄、カメラ好きな人は多いんだけど、写真自体の話はあんまり聞かない)、ここぞとばかりにいろいろと喋りまくる。特に、私の写真を見てすごく面白そうにしながら、話を熱心に聞いてくれたお婆さん。どういう経緯で会場にいたのかは分からないけど、世代を超えて同じ共感が得られることにいたく感動した。買ってもらえるとなお良かったんだけど、それを望むのは贅沢というもの……。

 また、この本は、文フリ取材班の方にも気に入ってもらえて、私と本とのツーショット写真を撮って頂けた。写真が何に使われるのか不明だけど、どうもありがとうございました。


日常⊇非日常

 

 狙ったかのように、イベント前々週の 『週刊アスキー』 に例の記事が掲載されたこともあり、先に書いた通り Amazon 箱を前面に出して本を宣伝。それと共に、今まで集めた 『おみくじ』 をまとめたものを無造作にテーブルに配置するという作戦(これはあまりに無造作だったので、今後改善しないとなぁ)で、集客を図った。手伝ってもらっていた知人に 「おみくじを見ていく人なんているのか(笑)」 と言われてもへこたれず、まだ見ぬおみくじマニアの登場を信じて……。

 そんな展示品のおみくじも、最初こそ触れる人が現れず、知人も 「それみろ」 という感じだったのだが、そのうち手に取ってくれる人も増え始め、やがておみくじをキッカケにおみくじ談義に花が咲くことも。正直、おみくじの話でここまで食いついて来てくれる人がいるとは思ってもみなかったので、この体験はまさに 『感動』 の一言に尽きる。「財布におみくじ入ってますよー」 という人もいれば、twitter で知り合った方からはおみくじの差し入れを頂くなど、そこではまさに私にとっての 『非日常』 が繰り広げられていた。す、すごい……。文フリすごい。

 また、後日談としては、"エキサイトレビュー" の文フリ特集記事 『ゾンビから大豆まで!? 第12回文学フリマで見つけた噂のすごい本!』 において、なんとこの 『日常⊇非日常』 を紹介して頂くという名誉まで頂いた。作った私自身、ひーーーっ! と嬉しい悲鳴を上げている今日この頃である。


■終了

 そして午後5時、会場に響き渡る拍手の音と共に、『第十二回文学フリマ』 は幕を閉じたのであった。さてその時の "NEKOPLA" さんはというと……


 


 そこには 「本日完売」 の札が!!

 この札、お隣のサークルの方の粋な計らいにより、例の何でも入ってそうな魔法の箱から、やおら取り出して貸して頂いた。驚くべきことに、『日常⊇非日常』 は、持参した数を全て売り切ったのであった。また 『路傍画報』 も2冊を残すのみという、売っていた本人も驚く程の売り上げを計上。部数的にも、ちょうど時間内に売り切った感じになり、ちょっと上手いこと行き過ぎてるんじゃないかと不安になるほど。

 ちなみにお隣さんは、『ボルトのすべて』 という本(タイトルうろ覚え)が売れまくっていた。ボルト……どんな内容かは分からなかったが、どう考えても素晴らしい本であることは間違いない。

 今回は、ほとんどずっと店番をしていたため、ゆっくりと他のサークルを回れなかったのが心残りであった。ただ、店先にいると、いろんな人がいろんなことを話してくれるので、留守にして会話の機会を逃すのが惜しかったというのもある。そのうち、一般参加でゆっくり回ってみたいなぁ。


■まとめ

 そんなわけで、初めてのサークル参加は個人的には大成功。次回の文学フリマ(11月3日開催)にも参加するつもりなので、興味を持った方は是非どうぞ。新刊では、例の食品を取り上げるかも。(まだ影も形もないけど)

 最後に、今回の文フリ参加にあたり様々なご助言を下さった方々、また当日ブースまで足を運んで下さった方々、お買い上げ頂いた方々、どうもありがとうございました。楽しかった!


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2011年05月24日

おしらせ(2) 「文学フリマ」

 およそ四半期ぶりの更新というのに、いきなり告知ばかりしている本ブログですどうもこんにちは。
 これまた突然ですが、「第十二回 文学フリマ」にサークル参加します。


  第十二回 文学フリマ

 ・開催日  2011年6月12日(日)
 ・開催場所 大田区産業プラザPiO(東京)
 ・配置場所 エ-08 「NEKOPLA」


 同人誌を作るのは実に15年ぶりで、こういうイベントに行くのも実は10年ぶりくらいなのですが、なぜか突然参加します。既刊本はないため、なんとすべて新刊です(当たり前)。


●「日常⊇非日常」

 日常系コラム集/36ページ/コピー本/予価300円

 当ブログでおなじみ(?) の話題、「おみくじ」、「Amazon ダンボール」、「使用頻度差緩和」、「大学名の規模」 に加え、新たに書き下ろした 「岬ゆきのバス」 をテーマに、コラムとも図録とも、何とも形容しがたい類の記事を掲載。既出の内容にも大幅な図版の追加を行っております。Amazon ダンボールの一覧写真は必見!


  


●「路傍画報」

 路上観察系写真集/24ページ/コピー本(フルカラー)/予価300円

 私がこれまでに撮影した 「路上観察写真」 をあつめた写真集です。表紙の写真を見てビビビと来た方は是非。インクを大量に消費した結果、全編フルカラーの豪華内容となっております。


  


 そんなわけで、取り急ぎお知らせまで。(実はまだ制作中だったりするのですが……)

おしらせ(1) 「週刊アスキー」

 突然の告知ですが、5月24日(火)発売の 『週刊アスキー』 (アスキー・メディアワークス刊)、特集 「amazon ボックス大活用」 に、私かわうそが "アマゾン箱コレクター" として登場いたします。 → 週アスのページ

 掲載されている情報のベースとなっているのは、私が amazon 箱をコレクションしつつ、実はこそこそと更新を続けている記事 「amazonの箱いろいろ」。いつか作ろうと思っていた、箱ごとにサイズを記載した一覧表も作成いただいており、これぞ "俺得" と言わずしてなんと言う。

 掲載されている amazon 箱の写真の一部は、私が集めた amazon 箱を撮影用に提供させて頂いたものです。収納場所に悩みつつも保存を続けているダンボールが、まさかこのような形で日の目を浴びることができるとは。個人的にも大変うれしい記事となりました。

 箱に関する情報のほかにも、なぜか私が amazon 箱について語る文章まで掲載して頂いている 「amazon ボックス大活用」、amazon 箱ファンの人も、そうでない人も、今週の 『週刊アスキー』 をみんなで見よう! こっそりと、あの 「風呂の達人」 も登場するよ(たぶん)。


 

2011年02月01日

自動改札と手動改札

 


 「え、この駅 自動改札じゃないの? なんか人がいるしw うけるwww」

 そんな会話を、田舎の観光地に行くとよく耳にする。『自動改札』が当たり前だと思っている人の目には、『手動改札』は "非常に珍しいもの" として映るらしい。多くの場合は、驚きと共に嘲笑が混じっている。

 都市部に住む人は、自分の普段見ている世界が標準だと思い、田舎に住んでいる人も、(自分たちの世界ではなく)都市部の光景が標準だと思いがちである。実際、人口の大半が都市部に集中しているのだから、そう思うのも仕方がない。しかし、その「標準」だと思い込んでいる世界は、面積にすると日本の領土のごく一部分に過ぎないのだ。

 全国各地を列車で旅している人は、自動改札よりも手動改札の駅の方が多いことを経験的に知っているだろう。多くの地方路線では、自動改札なんてなかなかお目にかかれない。また都市部であっても、たとえば政令指定都市の広島駅なんかは、2005年まで自動改札がなかった。よって、自動改札がスタンダードだと思い込むのは早計なのである。

 しかしこの事実を人に話したところで、「ホントなの??」と疑問の目を向けられるだけである。思い込みを払拭するためには、実体験、もしくは揺ぎない確固たるデータが必要である。ここは一つ、定量的に自動改札の設置数を示さねばなるまい。そう思った私は、さっそく図書館へと向かった。


 


 鉄道に関する統計データは、『鉄道統計年報』という本に集計されている。目的の自動改札に関しては、その中の『停車場電気設備表』に記載があった。

 停車場電気設備表には、その名の通り全国の全鉄道・全路線の電気設備数が載っている。これを見れば『自動放送設置駅数』や、『監視用テレビジョン設置駅数』まで分かってしまうという、一般人には一生知る必要がないと思われる非常にマニアックな数値が満載である。

 この資料から、JRの全路線を対象に、自動改札の設置駅がいくつあるかを集計してみた。地味な作業であるので、その過程は省略し、結果をいきなり発表してしまう。

 ・JR北海道
   駅数:465、うち自動改札設置駅数:58
   ⇒ 自動改札比率:約12.5%

 ・JR東日本
   駅数:1728、うち自動改札設置駅数:713
   ⇒ 自動改札比率:約41.3%

 ・JR東海
   駅数:417、うち自動改札設置駅数:138
   ⇒ 自動改札比率:約33.1%

 ・JR西日本
   駅数:1224、うち自動改札設置駅数:446
   ⇒ 自動改札比率:約36.4%

 ・JR四国
   駅数:259、うち自動改札設置駅数:1
   ⇒ 自動改札比率:約0.0%

 ・JR九州
   駅数:557、うち自動改札設置駅数:108
   ⇒ 自動改札比率:約19.4%

 ・JR計
   駅数:4650、うち自動改札設置駅数:1464
   ⇒ 自動改札比率:約31.5%

  (出典:平成19年度鉄道統計年報)

 以上。

 これで明確に、自動改札はJR全駅の31.5%にしか設置されていないということが分かった。図書館に平成19年度版の鉄道統計年報しかなかったため、データが少し古くなっているのはご容赦願いたい(たとえばJR四国の自動改札設置駅数は、現在2駅になっている。ちなみにその2駅は高知駅と高松駅)。

 改めてデータを見てみると、実に3駅に2駅は手動改札なのだ。よって、手動改札を見て「珍しい!」というのはおかしいし、マイノリティをあざ笑うのもおかしい。日本は思いのほか広く、自分の世界での常識が、実は物理的に狭い範囲だけを見た常識だということが沢山ある。思い込みを捨て、広い視野をもって日常生活をおくりたいものである。