2009年09月05日

てっこん第4回 「養老てっこん」

 会社の同期で結成したサークル「てっこん」の第4回活動は、岐阜の養老。これまで、秘境駅の坪尻(徳島)で山歩きをしたり、無人島の友ヶ島(和歌山)で防空壕に入ってワンセグを見たりと、少し変な方向のアウトドアサークルを実践していたのだが、ここに来てなぜか色気を出してしまい、普通に養老に行こうとしたのが運の尽き。
 なにを目指したのか分からない、謎の旅の顛末は以下の通り。


---


 養老には、養老天命反転地というテーマパークがある(絶対運命黙示録と響きが似ている)。「心のテーマパーク」と書かれた公式ページでは、その怪しさの一端が垣間見られる。そのよく分からなさに惹かれて、大学生のときからずっと気にかかっていた場所である。今回の旅行では、まずその養老天命反転地に向かうことになった。

 移動はやはり、いつもの18きっぷ。大阪から養老へ行くには米原経由が普通だが、ここはあえて関西本線経由で向かう。片町線、関西本線と乗り継いで三重県に入った。


 


 亀山では40分の待ち時間。朝から何も食べてなかったため、駅前のパン屋でパンを買って朝食にする。
 時間を持て余してその辺をうろうろと散歩してみたら、さすがは世界の亀山。てっこんメンバはみんな家電関係の仕事をしている家電猛者たちなので、こういうところに敏感に反応してしまう。ピキピキ。


 

 


 やがてやって来た列車に乗って、養老鉄道との乗換駅である桑名を目指す。この辺の区間では四日市の石油化学コンビナートがちらちらと見えて、いつも興味をそそられる。昨今の工場萌えブームには辟易としているものの、やっぱり工場風景は大好きだったりする。夜景とか凄そうだなぁ。

 桑名ではやはり40分ほど待ち時間があったので、その辺をうろうろ。桑名は、はまぐりの街らしい。せっかくなので何か食べようと話していたのだが、道中の列車内でお菓子を食べ過ぎてお腹いっぱいになるという、小学生の遠足並みの事態にあえなくお手上げ。結局何も食べずに桑名を後にすることに。


 


 あまりなじみのない街、桑名だが、今やJR、近鉄、三岐鉄道、養老鉄道と、実に4つの鉄道が乗り入れる地方らしからぬ駅になっている(とはいえ、もともと三岐鉄道、養老鉄道は近鉄だが)。なので私も2005年に一度来ており、これで二度目になる。前回の目的は三岐鉄道で、今回の目的は養老鉄道。


 


 桑名ではJRと近鉄が駅を共用しており、元近鉄の養老鉄道もJRの改札内にある。養老鉄道の切符は非磁気券(JR曰く、うらが白色のきっぷ)のため、自動改札を通らずにJRの有人改札を通過。さらにホーム手前にも有人の中間改札があった。


 


 乗客もまばらな養老鉄道にトコトコと揺られること約40分、ようやく今回の目的地である養老に到着。あまりの遠回りっぷりに、家を出てからすでに7時間が経過していたが、特に誰も気にすることもなく養老の地を踏みしめた。


 


---


 予定ではその後「養老の滝」まで行くつもりだったため、駅のレンタサイクルに少し心が動く。なにせ100円と書いてあるのだ。このご時勢に100円だなんて。しかしながら、鳥取砂丘のリフト(片道200円)しかり、あまりに安すぎる値段設定には必ず裏があるはずだと思った我々は、自転車の誘惑を振り切ってとぼとぼと歩き始めた。そしてすぐに、自転車が100円だった理由を目の当たりにしたのであった。


 


 ずっと急な上り坂……。かなりの罠っぷりである。養老で自転車を借りる人は、坂を覚悟しておくべし。


 


 養老ランドの楽しげな看板に目を奪われたりもしながら、15分くらい坂を上っていくと、目的の養老天命反転地があらわれた。受付でヘルメットをレンタルして(!)、準備万端で園内に潜入した。


 


 中の様子は……公式ページにある通りの謎のスポットであった。


 


謎の「オフィス」(と書いてある)に、


 


謎の岩場に、


 


京阪・萱島駅みたいな佇まいの謎の木(ローカルですまん)に、


 


 


 


 


斜面と狭い通路と壁に埋め込まれた家具と天井に張り付いた家具でできている謎の家に……。

 最初は、へー、珍しいなー、なんて思いながら楽しんでいたのだが、だんだん夏の暑さと、わりに体力を使う施設の数々に、みんな体力と気力を奪われていく。
 予習でいろいろと調べている中で『平衡感覚を失う』という記述があったのだが、それも分かる気がする。敷地内にまったく平面がないためか、次第に水平が分からなくなって、だんだん不安な気分になってくるのである。ファミコンの「キテレツ大百科」をやっているときの感覚に近いなぁ、と謎な家にいるときに思った。


 


 極めつけは、なんかよく分からない狭い通路。人がすれ違うのも難しいような細い通路がずっと続いていて、一度入り込むと途中で抜けられない。そのうちあまりの暑さにクラクラしてきたのだが、後ろから人が来ているので立ち止まるわけにもいかず、ひどく窮屈な思いをしながら無理に歩かされる。そして……。


 


 衝撃のオチにみんな戦意喪失する(オチが何かは言わない)。途中の景色はすごく良いんだけどなぁ。


 


 いろいろと打ちのめされた我々は、その後「楕円形のフィールド」と呼ばれる場所で休憩した。しかしそこでも目に入る風景がすべて微妙に傾いているためか、休んでいるのに妙に頭が痛くなってくる。写真を撮っても全く水平が取れている感じがしないし、またもや不安な気持ちになるばかり。


 


 気力で敷地内の残りの箇所を回ったところで、足は自然と養老駅に向かっていた。養老の滝? なにそれ? みたいな。
 駅に向かう道中では、そんな無気力な我々に追い討ちをかけるかのように、メンバのひとり(主将)のデジカメが垂直落下する。そしてデジカメは、溝蓋に空いた小さい穴に音もなく吸い込まれて見えなくなった。

 …………。


---


 次の瞬間、我々はなぜか名古屋にいた。


 


そして気付けば味噌カツを食っていて、


 


ミッドランドスクエアの展望台に上っていて、


 


新幹線で帰っていた。


 



---


 結局何がしたかったのか、よく分からない感じになってしまった今回のたび。実のところ何を目指していたのかというと、単に「養老の滝」に行った後で「養老乃瀧」(飲み屋)に行きたかっただけなのだ。しかし蓋を開けてみると、養老の滝に行くこともなく、ましてや養老乃瀧に行くこともなかった。旅というのは、そういうものだ。

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.nekopla.com/nnk/mt3/mt-tb.cgi/658
この記事へのコメント

お、オチが気になる〜

Posted by: けろきょん at 2009年09月12日 02:11

>けろきょんさん

オチは公式ページのマップを見れば明らかに。
楕円形のフィールドをグルっと囲む外周道路に左回りで入っていくと、行き着く先は……。

特に暑い夏場は絶望すること必至です。

Posted by: かわうそ at 2009年09月13日 08:40

空間まで絶対運命黙示録(というか少女革命ウテナ)っぽいですね。

聞き覚えがある名前だと思ったら、ここの設計をした人は三鷹天命反転住宅の人だったんですか。
三鷹の方が住めるだけマシのような…

Posted by: つくいす at 2009年09月14日 16:22

>つくいすさん

三鷹天命反転住宅なんてのもあるんですね、初耳でした。
養老と三鷹の両方に「極限に似るものの~」があるみたいですが、
三鷹はさすが住めるとあって、確かに空間的にはいくらかマシそうです。
養老で懲りた以上、泊まってみたいは思いませんが……。

Posted by: かわうそ at 2009年09月15日 20:27
コメントする